丸加醸造場の味噌づくりは天然醸造、長期熟成、木桶仕込み、原料は大豆と塩のみ。伝統的な味噌づくりを続けています。
天然醸造:四季の温度を利用して熟成させる昔ながらの方法です。
長期熟成:丸加では2年以上の熟成期間をもたせ、コクや深みを引き出しています。
木桶仕込み:杉の木でつくった桶に仕込みます。
まずは、水を掛け流して大豆を洗います。この時、質の悪い大豆などは除去していきます。だいずがきれいになったら、
水を吸わせます。この工程を浸漬(しんせき)といいます。豆味噌の場合は限定吸水といって大豆が吸水できる量の6割を
吸水させます。
大豆が吸水する速さは、水温や気温で変化します。その日に合わせながら、吸水させていきます。この吸水の加減がズレると
大豆の蒸し具合に影響(固い、柔らかい)が出ます。
洗って浸漬して水を切った大豆を釜に入れて蒸気で加圧しながら蒸します。3トンの大豆も1時間半で蒸しあがります。
水で煮た大豆は白く茹で上がりますが、加圧して蒸した大豆は赤〜茶褐色に色づいています。食べるとほんのり香ばしく、
表面はサラッとしています。
ここでは蒸した大豆を潰して5cm程度のだんご状にします。だんご状にした大豆に麹菌をまぶします。これを味噌玉といいます。
味噌玉は耳たぶくらいの柔らかさになっています。
麹を生やしていく工程を製麹(せいきく)といいます。室(ムロ:麹をつくる部屋)で、味噌玉に麹菌を増やしていきます。
48時間経つと味噌玉の表面は麹菌で覆われた状態になります。麹ができあがった状態を出麹(でこうじ)といいます。
出麹したら、麹の水分量から、種水と食塩の量を決めます。食塩と種水を混ぜて味噌桶に仕込んでいきます。
木桶に麹を踏み固めながら仕込みます。最後に重石を積み、ここから2年以上の熟成となります。製法が同じでも、土地や環境、
蔵に住みついた菌によって味はかわります。丸加醸造場の味噌はここでしかつくれません。
この味を次の世代、またその次の世代へとつなげていきたいと思います。